太陽光発電と蓄電池の後付け価格とセット価格の
違いとメリット・デメリットを解説!
持続可能なエネルギー源として重要性を増している太陽光発電ですが、ソーラーパネルからの発電は、天候や季節に左右され、夜間は発電量が大幅に低下します。
そこで、一定の電力供給を確保するために注目されているのが蓄電池です。
太陽光発電だけではなく蓄電システムを導入することで、昼間や晴れの日に太陽光で発電した電気を蓄電池に貯めておき、夜間や天気の悪い日に使える為、電気代の節約にもなります。
また、災害の起きやすい日本では、急な停電時の備えとしても、天候や季節に左右されず、夜間も電気を安定供給することができる蓄電池は、需要が高いと言えるでしょう。
電気代の節約、災害時の備えとしても太陽光発電と蓄電池、両方のシステムが必要だということは把握できましたが、蓄電池は太陽光発電を導入してから後付けする場合と、セットで導入する場合はどのような価格差や、メリット・デメリットがあるのでしょうか?
そこで今回は、蓄電池を後付けする場合、太陽光と蓄電池をセットで設置する場合の違いを、価格や、メリット・デメリットの面から解説していきます。
ページ目次
まずは太陽光発電と蓄電池の価格相場を知る
太陽光発電と蓄電池の設置費用は、販売店やメーカーによる価格差があることや、規模や容量による価格差、ご自宅の環境や、地域などにより発生する追加費用の有無などによっても変わってくるため、価格相場が把握しづらい製品だと言えます。
そのため今回は、経産省のデータに基づいて解説させていただきます。
太陽光発電の価格相場
経産省のデータを確認すると、2023年の住宅用太陽光発電システムの設置費用は、新築の場合で1kWあたり工事費含め平均28.8万円でした。
住宅用として平均的な4.5kWの太陽光発電の積載容量の場合、126.9万円(工事費込み)が価格相場となります。
このデータは一つの目安となるでしょう。
ですが、太陽光発電はその積載容量により価格が大きく変わります。基本的に容量が大きくなると、価格相場も高くなる傾向です。
購入するメーカーやご自宅の環境によっても、価格が変わってきますので、実際の設置費用は、専門の設置業者による現地調査が必要です。
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経験豊富で確かな技術を有する工事スタッフが現地調査に伺います。専任のアドバイザーがヒアリングをして、日程を調整していますので、お気軽にお問い合わせください。
蓄電池の価格相場
経産省のデータから、2022年の家庭用蓄電池の価格相場は、1kWhあたり11.7万円でした。
標準的な蓄電池容量10kWhの場合、117万円の計算です。
容量10kWhの蓄電池の場合、工事費の価格相場は22万円となりますので、139万円が工事費を含めた蓄電池の価格相場となります。
家庭用蓄電池も太陽光発電と同様に、容量が大きくなるほど価格も高くなります。
また、販売店による価格差が大きく、ご自宅の環境や、既設の太陽光発電との接続可否の判定結果次第では、追加の工事費用が発生することもあるので、実際の費用は太陽光発電と同様、専門設置業者の現地調査の上、見積書を発行してもらい確認しましょう。
太陽光発電と蓄電池の後付け価格とセット価格の価格差はどのくらい?
一般的には、セット設置の方が後付け価格よりも割安になる傾向があります。
これは、太陽光発電システムと蓄電池を一緒に購入することで、商品の仕入れや輸送、施工に関するコストを削減できるということが理由の一つではありますが、のちほど詳しく説明します。
まずは、太陽光発電と蓄電池のセット設置と後付け設置でどれくらいの価格差が発生するのか見ていきましょう。
太陽光発電と蓄電池セット設置の場合の価格
前章で解説した、経産省のデータを基に計算した太陽光と蓄電池の価格相場から、一般的な太陽光容量4.5kWと蓄電池容量10kWhの組み合わせの場合、太陽光と蓄電池のシステム合計は265.9万円(工事費込み)が価格相場となります。
※具体的な金額は、太陽光発電の容量や蓄電池の種類、設置場所の条件などによって異なります。
太陽光発電と蓄電池セット設置だと総合的に設置費用が安くなる理由
設置工事費用を安く済ませることができる
太陽光発電と蓄電池をセットで取り付けることで、太陽光パネルや蓄電池の設置場所、接続方法を導入時に一括で計画できます。
これにより、施工作業が効率化され、作業期間や人件費が削減されます。
また、機器や部材の搬入も1回で済む他、現地調査も1回で済ませることができるので、この辺りも設置工事の価格を下げる要因として上げられます。
蓄電池のみ後付けで設置する場合の価格
前章で解説している、経産省のデータを基にした蓄電池の価格相場から、標準的な蓄電池容量10kWhの場合、機器費117万円プラス工事費22万円で139万円が価格相場でした。
太陽光発電システムに蓄電池を後から追加する場合、機器費を分散して購入することができるため、初期の導入費用は、太陽光発電と蓄電池をセットで設置する場合よりも安くなりますが、総合的な設置費用は通常高くなります。次にその理由について解説します。
蓄電池のみ後付け設置が総合的に設置費用が高くなる理由
工事の手間がかさむ
後付けの場合は、配線や工事の手間が増えるため、総合的な設置費用が高くなります。
現地調査の回数も、太陽光システム設置時と、蓄電池設置時の最低2回となります。
システムの互換性
後付けで蓄電池を追加する場合、既設太陽光発電システムと新設する蓄電池の接続可否を確認しますが、接続に問題がある場合、追加の機器や工事が必要となり、設置費用が高くなることがあります。
※後付けで蓄電池を取り付ける場合、太陽光発電と蓄電池のメーカーや販売業者が異なることが一般的です。そのため、保証やアフターサービスについてもよく確認しておきましょう。
太陽光発電と蓄電池の導入タイミング毎に知っておきたいメリット・デメリット
どちらの導入タイミングにもメリット・デメリットがありますので、どちらの導入タイミングが適切なのかは、太陽光発電システムや蓄電池を導入する目的や、導入にかかる予算を明確にしておくと判断し易くなります。
また、将来の計画や変化を考慮して、システムを設計することも重要です。
それでは、それぞれのメリット・デメリットについて解説していきましょう。
太陽光発電と蓄電池をセットで導入するメリット
太陽光発電と蓄電池を導入する上、価格面、保証・アフターフォロー、適応される補助金等のメリット・デメリットがあります。結論から申しますと、初期の導入費用が後付け蓄電池よりも高くはなりますが、セット購入の方がメリットが多いと言えます。それでは具体的にメリットを確認していきましょう。
外観をすっきりさせられる
太陽光発電と蓄電池をセットで導入する場合、1回の工事で配線ケーブルや機器類の設置や工程を進めることができます。これにより、後付けの場合と比較して、外観をすっきりさせることができるでしょう。
設計の自由度が高い
セットで導入する場合は太陽光発電とハイブリッド蓄電池が一般的な選択肢となります。ハイブリッド蓄電池は太陽光パワコン(パワーコンディショナー:発電した電気を直流から家で使える交流に変換する)と蓄電池のパワコンを1つに纏める事が出来る蓄電池です。
後付けの場合、太陽光の回路の組み直しができないため、選ぶことができる蓄電池は、太陽光の回路構成と合っている蓄電池に限定されますが、新規でセット設置する場合、蓄電池に合わせた回路数や直列枚数を設計できるのは、嬉しいポイントです。
ハイブリッド蓄電池を導入する事で、太陽光パワコンと蓄電池のパワコンをそれぞれ購入する必要が無くなりますが、設置する太陽光発電と蓄電池でメーカーが異なる場合、保証の観点から太陽光パワコンの購入が必要となる場合がある事は注意が必要です。
太陽光パワコンを購入する必要があるかどうかは、メーカーや商社毎に異なるため、どの様にシステムを構築するかを相談しながら決めていきます。
太陽光発電と蓄電池で人気の高いメーカーの長州産業は、必ず同一メーカーでパワコンやハイブリッド型蓄電池を揃えることが条件でシステム保証が付与されますが、
ハンファQセルズの様に、太陽光パネル、架台、ケーブルの各製品に保証を付けていて、好みのハイブリッド型蓄電池をセットできるメーカーもあります。
保証やアフターサポートの統一
セットで購入すると、製造元や販売元が太陽光発電システムと蓄電池の両方に対して統一された保証や、アフターサポートを提供することができます。これにより、トラブル時の対応がスムーズに行われる可能性が高まります。
工事費用が安くなる
システム全体の設計が最適化され、配線や工事の手間が省かれるため、その分価格を抑えることができます。
変換効率が高い
セット設置の場合、ハイブリッドパワコンでパワーコンディショナを1つにできる為、電気の変換ロスが少なく効率が良いと言えます。
補助金対象
太陽光発電と蓄電池同時導入が対象の補助金があることは、見逃せないポイントです。自治体によっては、購入費用の大半を賄えてしまうことができる補助金もあります。
経済効果と原価回収
売電しても16円、使ったら30円相当の電気代なので、初めからセット設置にした方がより経済効果が高く、原価回収を考えた時にメリットがあるでしょう。
太陽光発電と蓄電池をセットで導入するデメリット
次は太陽光発電と蓄電池をセットで導入する際に知っておいた方がよいデメリットに関しても確認してきましょう。
初期の導入費用が高額
セット設置は、工事費を抑えることができますが、単純に、太陽光発電システムと蓄電池の合計費用がかかるため、初期の導入費用は高くなります。
補助金などを利用して、初期の導入費用が高額になることを、回避できる場合がありますので、どの補助金が使えるのかをよく調べておくことが大切です。
※太陽光と蓄電池セット設置で使える補助金について詳しく知りたい場合は、電池バンクへお問い合わせください。専任アドバイザーがお答えします。
蓄電池を後付けで導入するメリット
既に太陽光発電を導入していて、後付けで蓄電池の設置を検討されている方もたくさんいらっしゃいます。
蓄電池の後付けにもメリット、デメリットがありますが、最大のメリットはセット導入と比べて導入費用が分散される事です。それではまずメリットを詳しく確認していきましょう。
初期の導入費用が低い
初期投資を太陽光発電システムだけに集中し、蓄電池の導入を後から行うことで、コストを分散することができます。
また、蓄電池の導入時期を遅らせることで、最新の技術や価格の変動を考慮することも可能です。
柔軟性が高い
太陽光発電システムがある程度稼働し、消費電力や需要のパターンがわかった後に蓄電池を導入するということは、太陽光発電システムの稼働データを元に、蓄電池の容量や充放電のタイミングを最適化することが可能になるということです。
蓄電池を後付けで導入するデメリット
次は蓄電池を後付けで導入する際に知っておいた方がよいデメリットに関しても確認してきましょう。
太陽光の残債がある
太陽光発電を設置し、10年が経つと卒FIT(固定価格買取制度の終了)を迎え、売電価格も下がる事で、売電よりも自家消費で買う電気を減らした方が経済メリットが大きくなります。その為、昼間に作った電気を夜間に使用する為にこのタイミングで蓄電池を導入する方も多くいます。
ところが、太陽光発電購入時、15年でローンを契約していることが一般的なため、ローンを払い切れていないのに・・・というお客様の声が多くあります。
接続できない場合がある
後付けでハイブリッド蓄電池を入れる場合、既設太陽光の回路数や直列枚数次第では、そのまま接続できない場合があるため、注意が必要です。
太陽光発電と蓄電池のセットはどんな人におすすめ?
太陽光発電と蓄電池のセットは、以下のような人におすすめです。
1. 電気料金を削減したい人
太陽光発電と蓄電池をセットで導入することで、太陽光発電で発電した電力を蓄電池に貯めておき、必要な時に使用することで、電力の自家消費率を向上させることがでるでしょう。
これにより、電力会社からの購入電力量を減らし、電気代の削減が期待できます。
2. 停電時に備えたい人
蓄電池を備えることで、停電時にも蓄電池から電気を供給できるため、安心感を得られます。
万が一の災害時や緊急時でも、必要な電力を確保できるため、生活の安全性や快適性が向上するでしょう。
3. 環境に配慮したい人
再生可能エネルギーの利用を促進し、環境への負荷を軽減することができるため、太陽光発電と蓄電池の導入は環境に配慮したい人にもおすすめです。蓄電池を組み合わせることで、より効率的に再生可能エネルギーを活用し、環境負荷を軽減できます。
4. 長期的な投資を考えている人
太陽光発電と蓄電池をセットで導入することで、将来的な電気代の上昇に備えることができ、長期的な投資としても魅力的です。
蓄電池の後付けはどんな人におすすめ?
1. 初期の導入費用を抑えたい人
太陽光発電と蓄電池の合計費用が高額になりやすいため、導入費用を分散して購入することができる後付けがおすすめです。
2. すでに太陽光発電システムを導入している人
太陽光発電システムを導入しており、自家消費率をさらに向上させたい場合は、蓄電池の後付け設置が適しています。蓄電池を利用することで、発電した電力を貯めておき、必要な時に使用することができます。これにより、太陽光発電で発電した電力を効率的に活用し、電気代の削減を図ることができるでしょう。
3. FIT期間が終了、もしくは終了が近づいており、売電よりも自家消費を検討している人
太陽光発電によって発電された電力を蓄電池に貯めることで、自家消費率を向上させ、売電に頼らないエネルギー利用が可能になります。これにより、FIT収入の減少に伴う影響を抑えることができ、電力の自給自足を目指すことができます。
4. 電力の安定供給が必要な人
天候や季節に左右されず、急な停電時にも備えることができるので安心です。
5. 環境への負担を軽減したい人
自然環境や地球環境に対する悪影響を最小限に抑えるためにも、蓄電池の後付けは有益です。
太陽光発電と蓄電池のセットで使える補助金もある?
2024年も、国や自治体から太陽光と蓄電のセットで使える補助金があります。国の場合は新築の場合に限り使うことができる補助金となっていますが、自治体によっては、既築住宅でも使える補助金があります。
特に東京都の補助金は、補助額が高額ですので、見逃せない補助金と言えるでしょう。事項で詳しく説明します。
東京都 太陽光と蓄電池に使える補助金額
太陽光発電システムの補助金は、1kWあたり12万円から15万円(上限45万円)となっており、蓄電池システムの補助率は3/4(最大120万円/戸)に拡大されています。
これにより、システムの設置費用の大部分を補助金でカバーすることができるようになりました。
※電池バンクでは、お住まいの地域にどの様な補助金があり、補助金を使用できる条件が揃っているのかなど、直ぐにお調べすることが可能です。
補助金についてわからないことがあれば、お問い合わせください。
結論:経済効果、原価回収を考えるなら太陽光発電と蓄電池をセットで導入!
これまでの解説をまとめると、太陽光発電と蓄電池をセットで導入することで得られるメリットは、以下のようになります。
余剰電力の活用
太陽光で発電した余剰電力を蓄電池に蓄えることで、夜間に自家消費できる他、急な停電時にも使用することができます。
これにより、電力会社からの購入量を減らすことができ、電気代を節約できます。
売電しても買取価格が安いため、如何に売電量を減らし、自家消費に回していくかが重要と言えますが、蓄電池無しでは不可能です。
電気使用料金の削減(ピークカットとピークシフト)
- ピークカット:電力需要が急増するピーク時に、蓄電池から電力を供給します。これにより、電力会社からの電気使用量を抑え、電気代を下げることが期待できます。
- ピークシフト:電力需要がピーク時でない時間帯に蓄電池を充電し、ピーク時に蓄電池から電力を供給することで、電力会社からの高い時間帯の電気代を抑える効果があります。
固定価格買取制度について
卒FITを迎えたら、余剰電力は低い金額で売電し続けるより、自家消費することで電力会社から購入する高い電気代を抑える方が、経済効果は高くなります。
また、2012年のFIT制度(固定価格買取制度 / 10年間)開始以降、固定買取価格は年々下落していることから、これから太陽光発電の設置を検討するという場合も、余剰電力は自家消費するという考え方で間違いないでしょう。
これらのことから、経済効果、原価回収を考えるなら、太陽光と蓄電池はセット導入が断然おすすめということになります。
これまで太陽光発電で売電していた方も、これから太陽光発電を設置する方も、蓄電池とセットで運用していくことで、これまでお伝えしてきた様々なメリットを得ることがでるでしょう。
そして、自家発電と自家消費については、今後も重要性が高まると考えられます。
エネルギーの自給自足や自家消費率の向上は、エネルギー安全保障や環境負荷の軽減に貢献するとともに、電力需要のピークカットや電力システムの安定化にも寄与するからです。
時代の流れから見ても、太陽光と蓄電池をセットで導入が潮流であること間違いなしです。
家庭用蓄電池の価格相場についてのまとめ
このページでは蓄電池の後付けと、太陽子発電と蓄電池のセット導入の価格面での比較や、その他メリット・デメリットを説明してきました。
下記に改めて重要なポイントをまとめたのでおさらいしましょう。
蓄電池の導入は太陽光発電とセットの方がメリットを感じられたと思いますが、
FIT期間が残っていて、メーカー保証もまだある方で蓄電池を設置したい方は、後付けで単機能蓄電池を導入した方が良い場合も存在します。
まずはポイントを押さえて、自分にとっての最良な方法を販売会社と確認しあいながら進めていくことをおすすめ致します。
- 住宅用として平均的な4.5KWの太陽光発電は126.9万円(工事費込み)が価格相場
- 家庭用蓄電池の価格相場は1kWh11.7万、標準的な容量の10KwHは約140万円(工事費込み)
- 蓄電池の後付けは初期費用を分散できる
- 蓄電池の後付けは全て合計するとセット価格よりも高い
- 後付けより、セット導入の方が建物の外観をスッキリさせられる
- セット導入は、選べる蓄電池の種類が多い
- セット導入で適応される補助金もある
- 蓄電池は非常時に非常用電源としても活躍する
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