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太陽光発電の2023年電気事業法改正で変わった保安規制を徹底解説

太陽光発電は、地球環境に優しいクリーンエネルギーとして、ますます普及が進んでいます。しかし、その一方で、安全面に対する懸念も高まっていました。

公開 更新 約15分で読めます
監修電池バンク編集部
太陽光発電の2023年電気事業法改正で変わった保安規制を徹底解説

SUMMARY

この記事のポイント

  • 2023年3月の法改正による出力10kW以上50kW未満の低圧太陽光への保安規制強化を解説。
  • 新区分「小規模事業用電気工作物」に課される基礎情報の届出や使用前自己確認など、3つの新たな義務とペナルティを科されないための注意点を網羅。
目次

    そこで、2023年には、太陽光発電システムの安全性確保を目的とした新たな保安規制が導入されました。この新しい規制によって、私たちの暮らしはどのように変わるのでしょうか?

    今回は、太陽光発電システムの設置や運用に関わる方に向けて、2023年の保安規制変更点について、わかりやすく解説していきます。

    環境に優しいエネルギーで、豊かな暮らしを実現したい方は、ぜひご一読ください。

    ページ目次

    電気事業法とは?

    電気事業法は、私たちの日常生活に欠かせない電気に関わるさまざまな事項を定めた法律です。この法律の目的は、電気の安定供給を確保し、消費者の安全を守ることにあります。

    法律の対象は、発電所から私たちの家庭やオフィスまで電気を届ける過程に関わる事業者です。

    これには、太陽光発電設備を運用している個人も含まれており、発電方法や電線の管理、変電所の運営など、電気に関するあらゆることが細かく規定されています。

    例えば、発電事業者や太陽光発電を行う個人は、安全な設備で電力を安定的に供給することが義務付けられています。

    このようなルールのおかげで、私たちは日々安心して電気を利用できるのです。

    電気事業法の改正と新たな制度

    2023年3月20日に電気事業法が改正され、新たに以下の3つの制度が導入されることになりました。

    • 認定高度保安実施設置者にかかる認定制度
    • 小規模事業用電気工作物にかかる届出制度
    • 登録適合性確認機関による事前確認制度

    特に、太陽光発電システムに関連する「小規模事業用電気工作物にかかる届出制度」は、これから太陽光発電を導入しようと考えている家庭や、既にシステムを導入済みの太陽光発電設備オーナーにとって重要な変更点です。

    ※出力10kW以上50kW未満の太陽光発電と出力20kW未満の風力発電は、これまで一般用電気工作物に区分されていました。しかし、法改正後は、小規模事業用電気工作物という名称へ変わっています。

    この制度では、発電設備を安全かつ適切に運用するための届出が求められます。

    この制度の導入により、太陽光発電の運用がより透明になり、利用者が安心して電力を供給できる環境が整うことを目指しています。

    この制度がどのように機能するのか、具体的な内容について詳しく見ていきますので、ぜひご注目ください。

    なぜ保安規制が変わったのか?

    太陽光発電システムは、工場や商業施設だけでなく、一般家庭の屋根など、さまざまな場所に設置されるようになりました。

    設置場所や規模が多様化する中で、安全に関する問題が浮上してきたのです。特に、小規模なシステムでは、設置業者の知識不足や定期的なメンテナンス不足などが原因で、事故が発生するリスクが高まっていました。

    そこで、より安全な太陽光発電システムの普及を図るため、国は新たな保安規制を導入したのです。

    具体的に何が変わったのか?

    今回の規制変更で最も大きなポイントは、太陽電池発電設備(10kW以上50kW未満)と風力発電設備(20kW未満)が「小規模事業用電気工作物」として新たに分類されたことです。

    これにより、これらの設備に対して、以下の義務が課されるようになりました。

    • 技術基準適合維持義務: 設備が常に安全基準を満たしている状態を維持する義務
    • 基礎情報の届出: 設備の設置者や保安管理に関する情報を経済産業省に届け出る義務
    • 使用前自己確認: 設備の運転開始前に、安全基準に適合していることを確認し、その結果を経済産業省に届け出る義務

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    小規模事業用電気工作物とは?

    「小規模事業用電気工作物」とは、簡単に言うと、比較的規模の小さい太陽光発電設備や風力発電設備のことです。具体的には、以下の設備がこの分類に該当します。

    • 太陽電池発電設備: 出力が10kW以上50kW未満のもの
    • 風力発電設備: 出力が20kW未満のもの

    これらの小規模な再生可能エネルギー発電設備に対して、より厳格な保安規制が適用されるようになりました。

    経済産業省による保安規制の内容

    出典:令和4年度小規模な再エネ発電設備に係る保安規律の適正化 | 経済産業省

    小規模事業用電気工作物の背景と目的

    太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入が進む中、家庭用などの小さな発電設備を設置する人が増えています。

    しかし、これらの設備の設置や管理に関する明確なルールがなかったため、安全面での問題が懸念されていました。

    そこで、より安全な再生可能エネルギーの普及を図るため、太陽電池発電設備(10kW以上50kW未満)と風力発電設備(20kW未満)が「小規模事業用電気工作物」として新たに分類され、より厳格な規制を設けることになったのです。

    新たに課せられる3つの義務の詳細

    太陽光発電システムの安全性確保のため、2023年3月の電気事業法改正により、新たな保安規制が導入されました。

    特に、出力10kW以上50kW未満の小規模事業用電気工作物に該当する太陽電池発電設備を設置する事業者の方は、技術基準適合維持、基礎情報届出制度、使用前自己確認制度の3つの義務化に注意が必要です。

    これらの新たな規制が、太陽光発電設備を設置・運用している方にどのような影響を与えるか、詳しく解説していきます。

    ➀ 技術基準適合維持義務とは?

    「技術基準適合維持」とは、少し難しい言葉ですが、簡単に言うと「太陽光パネルなどの設備が、安全に使えるように、常に良い状態を保つようにしなさい」ということです。

    例えば、新車を購入したときには、定期的に車検を受けますよね。これは、車が安全に走行できるよう、状態を常に良好に保つためです。

    太陽光パネルも、安全に発電し続けるために、定期的な点検やメンテナンスが必要なのです。

    太陽光発電システムは、私たちの生活に欠かせない電気エネルギーを生み出す素晴らしい技術ですが、その一方で、適切な管理を行わなければ、思わぬ事故につながる可能性も秘めています。

    技術基準適合維持義務が設けられたのは、このような事故を未然に防ぎ、安全に太陽光発電システムを利用してもらうためです。

    具体的な点検の時期や要領、不具合が見つかった場合の対応については以下にまとめました。

    住宅用太陽光発電システムの定期点検ガイド

    ❶ 点検の時期
    住宅の定期点検に併せて、太陽光発電システムの点検を行うことが推奨されています。

    ❷点検要領
    屋根について: 築後10年目以降、目視点検を実施します。カメラを使用した点検も許可されています。
    太陽電池アレイ: システム設置後10年目以降に、定期的に目視点検を行います
    接続箱およびパワーコンディショナ: これらも定期的に目視点検を行い、点検記録を毎回更新して保存することが求められます。

    ❸不具合が見つかった場合の対応
    万が一、不具合が発見された場合、確認する事象に該当しない場合は、システム所有者に専門業者による再点検または修理を依頼するよう促します。

    ② 基礎情報届出制度とは?

    基礎情報届出制度は、簡単に言うと、10kW以上50kW未満の小規模事業用電気工作物に該当する太陽光発電設備を設置した場合、その設備に関する情報を国に報告する必要がある制度です。

    すでに10kW以上の太陽光発電設備を設置している方も、新たに設置する方も、設備の基礎情報を届け出る必要があります。

    ただし、FIT制度(固定価格買取制度)を利用している方は原則、届け出は不要です。これは、国がすでにご家庭の設備情報を把握しているためです。

    届出事項には、設置者情報として「設置者の氏名、住所、連絡先(電話番号、メールアドレスなど)」、設備情報として「設備の名称、設置場所、種類、出力」などが含まれます。

    また、保安体制情報としては「保安監督業務担当者の氏名や住所、連絡先(電話番号、メールアドレス)と、点検の頻度」も報告する必要があります。

    ③ 使用前自己確認とは?

    経済産業省による「使用前自己確認」の解説

    出典:令和4年度使用前自己確認業務の外部への委託|経済産業省

    太陽光発電設備を設置する際、安全に発電できるかをあらかじめ確認する手続きのことを「使用前自己確認」といいます。

    以前は、出力500kW以上の大きな太陽光発電設備が対象でしたが、2023年の法律改正により、出力10kW以上50kW未満の比較的規模の小さな太陽光発電設備も対象となりました。

    太陽光発電設備は、電気を使うものです。そのため、設置する前に、感電や火災などの事故が起こらないよう、安全に使えるかを確認する必要があります。

    また、太陽光発電設備の設置は、周辺の環境や建物に影響を与える可能性があります。使用前自己確認では、こうした影響についても確認し、問題がないか確かめます。

    使用前自己確認は、専門業者に依頼するのが一般的です。

    小規模事業用電気工作物の届出ガイド

    2023年3月の電気事業法改正により、太陽光発電システムなど、小規模な発電設備に関する規制が強化されました。

    この改正により、どの設備が届け出の対象となり、どのような情報を届け出れば良いのかを、改めてわかりやすく解説します。

    基礎情報の届け出が必要な設備

    小規模事業用電気工作物とは、出力10kW以上50kW未満の太陽電池発電設備や風力発電設備のことを指します。

    この規模の設備を設置している、または設置しようとしている方は、以下の届出が必要となる場合があります。

    基礎情報の届け出のタイミングと内容

    設備の状況によって、届け出のタイミングや内容が異なります。

    ❶ 2023年3月20日以降に使用を開始する設備
    使用開始前: 基礎情報の届け出が必要です。
    変更時: 設備の住所変更、代表者の変更、廃止など、基礎情報に変更があった場合は、速やかに届け出が必要です。

    ❷ 2023年3月20日時点で既設・使用中のFIT固定価格買取制度)認定を受けている設備
    施行時: 基礎情報の届け出は不要です。
    変更時: 上記①と同様、基礎情報に変更があった場合は、速やかに届け出が必要です。

    ❸ 2023年3月20日時点で既設・使用中のFIT認定を受けていない設備
    施行時: 2023年9月19日までに基礎情報の届け出が必要です。
    変更時: 上記①と同様、基礎情報に変更があった場合は、速やかに届け出が必要です。

    届け出が必要な情報

    ❶ 設置者情報: 氏名、住所、連絡先など
    ❷ 設備情報: 設備の名称、設置場所、種類、出力など
    ❸ 保安体制情報: 保安監督業務担当者の氏名や連絡先、点検の頻度など

    使用前自己確認結果届出書の届け出が必要な設備

    使用前自己確認結果届出書は、太陽光発電システムを新たに設置する際や、既存の設備に変更を加える場合に提出が必要な書類です。この届出書には、発電所の概要や配置に関する情報を示した書類などが求められます。

    基本的には既設設備は対象外ですが、一部の変更工事を行った場合には届出書の提出が必要となります。

    特に注意が必要なのは、使用前自己確認の法改正が新規で設置される太陽光発電所だけに適用されるわけではないという点です。

    既に稼働している太陽光発電所でも、特定の状況下で使用前自己確認が求められる可能性があるため、注意が必要です。

    例えば、新たな設備の設置や増設工事を行う場合が該当します。以下のような変更工事については、使用前自己確認が必要になります。

    変更の工事使用前自己確認が必要になる変更内容
    発電設備の設置5%以上の出力の変更を伴うもの
    太陽電池の取り換え・支持物の工事を伴うもの
    ・5%以上の出力の変更を伴うもの
    太陽電池の改造・20%以上の電圧の変更を伴うもの
    ・5%以上の出力の変更を伴うもの
    ・支持物の強度の変更を伴うもの
    太陽電池の修理支持物の強度に影響を及ぼすもの

    このように、出力が一定以上の変更を伴う工事や、支持物に影響を及ぼす作業には、使用前自己確認が必要ですので、計画を立てる際は十分にご注意ください。

    新たに追加された使用前自己確認の項目

    新たに使用前自己確認の項目が追加されました。これらの確認は、主に支持物や構造物に関連しており、太陽光発電設備を安全に運用するためにとても重要です。

    具体的には、次のような項目が含まれています。

    ・設計荷重の確認: 設備がどれだけの重さを支えられるかをチェックします。
    ・支持物構造の確認: 支えとなる部分がしっかりとした構造になっているかを確認します。
    ・部材強度の確認: 使用されている材料が十分な強度を持っているかどうかを見ます。
    ・接合部構造の確認: 部材同士がしっかりと接合されているかを確認します。
    ・基礎及びアンカー強度の確認: 設備がしっかりと固定されているかをチェックします。
    ・土砂の流出及び崩壊の防止に係る確認: 土地の安定性を確保し、崩れないようにするための確認です。

    これらの確認を通じて、太陽光発電設備が安全に機能するように整えられていますので、安心して使用することができますね。

    使用前自己確認と届出のポイント

    太陽光発電設備を使用し始める前には、電気事業法に基づいて使用前自己確認を行い、その結果を設置する地域を管轄する産業保安監督部に提出する必要があります。この手続きは忘れずに行うことが大切です。

    特に、届出を行う前に設備を使用し始めないよう注意してください。「使用開始前」とは、送配電事業者や既存の設備との連系前ではなく、正式に売電や自家消費のために発電した電力を使い始める前のことです。

    この手続きをしっかり行うことで、安心して太陽光発電を利用できる環境が整います。

    使用前自己確認結果届出書に必要な添付書類

    使用前自己確認結果届出書を提出する際には、いくつかの添付書類が必要です。

    これらの書類は、発電所の安全性や構造を確認するために重要ですが、一般の方には準備が大変かもしれません。

    通常、工事店や販売店が書類作成をサポートしてくれるため、安心して任せられます。必要な書類には以下のようなものがあります。

    ・発電所の概要を示した地形図:発電所の位置や周辺の地形が分かる地図です。
    ・主要設備の配置を示した平面図および断面図:設備がどのように配置されているかを示す図面です。
    ・発電方式に関する説明書:どのような方法で電力を発電するのかを詳しく説明した書類です。
    ・支持物の構造図および強度計算書:支持物の設計やその強度を示す図面と計算結果です。

    これらの書類を整えることで、スムーズに手続きを進められます。工事店や販売店に相談し、安心して太陽光発電を始められるよう準備を整えていきましょう。

    小規模事業用電気工作物の届出の提出方法

    届出を行う方法は以下の通りです。

    ② オンライン申請: 「保安ネット」にログインして申請します。
    ② 郵送: 様式を印刷し、電気工作物を管轄する産業保安監督部に郵送または持参により届出ます。

    特設ページはこちら: 保安ネット特設ページ

    届け出が必要な理由とその重要性

    なぜ届け出が必要なのでしょうか。それは主に二つの理由があります。

    ❶ 安全確保: 設備の安全な運用を確保するために、届出が求められます。これにより、発電設備が適切に設置されているかどうかを確認し、事故や故障のリスクを軽減することができます。安全が確保されていることで、私たち利用者は安心して電気を使用することができるのです。

    ❷ 情報管理: また、設備に関する情報を国で一元管理するためにも、届出が重要です。これにより、全国の電気工作物の状況を把握し、必要な対策を講じることができるようになります。例えば、災害時には迅速に情報を集約し、適切な対応が可能になります。

    新しい制度が導入されることで、小規模事業用電気工作物に関する届出がより重要な役割を果たすことになりました。これらの理由から、届出は私たちの安全で快適な生活を支える基盤となるのです。

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    届出を行わなかった場合の注意点

    今回の改正に伴い、「小規模事業用電気工作物」に関する届出を行わない場合や、虚偽の届出をした場合、ペナルティが科せられる可能性があります。

    具体的には、電気事業法第120条第1号に基づき、30万円以下の罰金が科されることがあります。

    手続きが面倒に感じるかもしれませんが、一般的に工事店や販売店が書類作成をサポートしてくれるため、安心です。

    なお、使用前自己確認は設置者本人が行う必要がありますが、電気の知識を持つ専門家に確認を依頼することが推奨されています。

    正しい届出を行うことが、安心して太陽光発電を利用するためには重要です。しっかりと手続きを進めて、安心な発電ライフを楽しみましょう!

    CONCLUSION

    まとめ

    2023年の電気事業法改正で、太陽光発電のルールが大きく変わりました。 これまで大規模な発電所にしか適用されていなかった規制が、家庭用や小規模事業用の太陽光発電にも適用されるようになったということです。

    太陽光発電システムをお持ちの方だけでなく、これから導入を検討している方も、 今回の改正内容をしっかりと理解し、必要な手続きを行うことが重要です。

    特に、出力やFIT制度の利用状況によっては、異なる手続きが必要になる場合があります。

    電池バンクでは、 太陽光発電に関するご相談を承っております。最新の法改正情報に基づいたアドバイスや、手続き代行など、お客様のニーズに合わせてサポートいたします。お気軽にご相談ください。

    今回の改正を機に、太陽光発電をより安全に、そして有効に活用していきましょう。

    SUPERVISOR

    電池バンク編集部

    運営:エネルギーバンク株式会社|太陽光発電・蓄電池・V2Hの販売施工専門店

    累計施工実績 10,000件超補助金申請 年間750件以上

    このお役立ち記事は、太陽光パネルや蓄電池、V2Hの提案から施工までを全国対応で手がける「電池バンク」の編集部が発信しています。国内全メーカーの施工IDと累計10,000件以上の施工実績をもとに、導入前に知っておきたいポイントを分かりやすく解説しています。

    執筆:電池バンク 編集部最終確認日:2026.08.28
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